梅干しさんは、
これまでのいろいろあった人生を
しみじみと振り返りました。
木になって大きくなったこと。
長い雨も、季節にそぐわぬ暑い日もあったこと。
毛虫がやってきたり、
それを食べに鳥がやってきたり、
風にふかれて仲間が落ちって行ったり、
出会いや別れの一つ一つが昨日のことのように思えます。
そこから巣立って、
他の梅の身といっしょに暮らしていたこともありました。
あの頃は、みんなまだ青かったなぁ。
みんなで日なたぼっこをしたこともありました。
思い返すと、
あんまり太陽の光をあびすぎたのが
いまの深いしわになったのかと思うと、
「遊びすぎたかな?」なんて
ちょっと苦笑いがこぼれてしまいます。
紫蘇の葉と出会ったのも、その頃でした。
紫蘇の葉の、なんともいえないいい香りと、
包み込んでくれる広さに、
気がついたら惹き寄せられていたのかもしれません。
出会ってしばらくして、
いっしょに壷の中で暮らすようになったっけ。
周りからの重みもあって、
だいぶ汗をかくこともあったけれど、
紫蘇の葉がいつもそばにいてくれたから、
気がついたら
紫蘇の葉の色に染まっていたものでした。
そうこうしているうちに、
真っ赤でしわしわな梅干しになってしまっていたよ。
紫蘇の葉といっしょに壷に入っていたときに、
梅はたくさん汗をかいたわけだけど、
そのときの汗が↓これ↓

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